西園寺帝国大学 政法経学部

猿払事件 → 堀越・世田谷の、最高裁の判例は変更というより解像度アップ (公務員の政治活動=国家公務員法102条に対して優しくなった)

結論から言うと、最高裁は「矛盾していない(猿払事件の判例は変更されていない)」という立場をとっています。 ただし、実際の運用や解釈においては「実質的に基準が修正・限定されたのではないか」という指摘(事実上の変更・緩和ではないかという議論)があり、法曹界や受験勉強などでも非常に議論が多いポイントです。 最高裁は、猿払事件の判例変更を否定し、個別具体的な事情から実質的なおそれの有無を判断したとしていま (さらに…)

ハイレベル民事訴訟法キーワード

5. 民事訴訟法 本編 112項目/既習記録の補遺 24項目 全体像 民事訴訟は、私法上の権利を裁判で確定し、必要なら強制執行で実現する仕組みである。訴訟では誰が何の権利を請求しているかを定め、主張と証拠を整理し、判決又は和解で紛争を終える。執行ではその権利があることを原則としてやり直さず、どの財産からどの方法で回収するかを扱う。保全は最終判決まで待つと権利実現が失われる場合の暫定措置である。この (さらに…)

ハイレベル行政法キーワード

全体像 行政法は、行政がどの根拠で何をできるか、その活動をどの手続で統制し、私人や地方公共団体がどのように救済を求められるかを扱う。本編は対象206 IDを、基本原則、裁判上の救済、国家賠償、公物・施設、情報、職員、金銭的な行政作用、国地方関係に分けて収録した。一般的な制度概念と、情報公開法や地方自治法等が定める具体的な要件・期間を結び付けて説明する。 2-1. 行政法の基本構造 行政は公共目的を (さらに…)

賃貸不動産経営管理士(2021国家資格化)みたいな新しい資格ができた時、既存の業者はどうなるの?

2021年6月に「賃貸住宅管理業法」が全面施行され、20戸以上の賃貸住宅を管理する業者は国土交通省への登録が義務付けられました。これに伴い、営業所ごとに法律や実務の知識を持つ「業務管理者」を配置することが必須となりましたが、施行時点で実務を行っていた既存業者や宅地建物取引士(宅建士)に対しては、混乱を避けるために以下のような特例的な移行措置(経過措置)が設けられました。 1. 2年間の登録猶予期間 (さらに…)

南九州税理士会と、群馬司法書士会の事案のコントラストというか。

南九州税理士会と、群馬司法書士会の事案のコントラストというか。 政治活動絡みで税理士会が会員(強制加入)から金を取るのはアウトだけど、群馬司法書士会が他の司法書士会に震災の支援のために金を出すのはOK。   いずれも、「目的の範囲外か」が問われるが、前者に関しては目的の範囲外であり、おまけに個々人の選挙をめぐる自由と抵触すると でも、法人そのものが選挙的な思想をもって、特定の政治団体を支 (さらに…)

「原因における自由な行為」の民刑の扱いの違い 〜「酔っ払ってたから無責任」はどこまで?〜

結論から言うと、「原因において自由な行為」の法理は、民法と刑法の両方に共通する考え方です。 ただし、刑法では「判例法理(明文なし)」であるのに対し、民法では「法律(条文)に直接書かれている」という大きな違いがあります。 それぞれの扱いを整理すると以下のようになります。 1. 刑法における扱い:条文になく、判例・学説で認められた法理 刑法には「原因において自由な行為」という言葉はどこにも書かれていま (さらに…)

制限行為能力は、なんでも「家裁に頼みこんで依頼」すれば、一人で取引できるのか?

類型 判断能力の状態 補助者(保護者)の権限 本人の単独行為への影響 成年被後見人 判断能力を欠く常況 同意権なし / 取消権・代理権(広範囲) 日常生活以外はほぼ取り消し可能 被保佐人 判断能力が著しく不十分 重要な財産行為への同意権・取消権 重要行為は単独で不可(取消対象) 被補助人 判断能力が不十分 家裁で決めた特定行為のみに同意・取消・代理権 原則なんでもできる(特定行為を除く) ※任意後 (さらに…)

「早く決めろ!」 【法律】追認の催告を「放置」された場合の分岐一覧表

未成年者 親(親権者) 🎉 追認(有効) 親は、1人で子供の契約を「有効」にできる確定権限(法定代理権)を持っているため。 成年被後見人 成年後見人 🎉 追認(有効) 後見人は、1人で契約を「有効」にできる確定権限(法定代理権)を持っているため。 未成年者 成人した本人 🎉 追認(有効) 契約時は子供でしたが、質問された時はすでに成人しているため、1 (さらに…)

未成年者と成年被後見人の決定的な違いとしての、「利益を得るだけ・義務を免れるだけ」のソロでの意思決定について

  未成年は法的に最強!だからあちこちで嫌われる!   未成年者は「得しかないこと」なら1人で決めてOKです。 しかし、成年被後見人は「得しかないこと」であっても、自分で決めることは一切認められていません。すべて後見人が決めます。 なぜこんな理不尽に思える違いがあるのか、そして「自分で決めてしまった場合」にどうなるのか、すっきり整理できるよう分かりやすく解説しますね。 なぜ成年 (さらに…)

行政法の当てはめ実演

1. 訴訟要件(行訴法)のドッキングパターン ①「処分性」(行訴法3条2項)× 個別法の効果 処分性を基礎づける最大の武器は、判例の「直接国民の権利義務を形成し、又はその範囲を確定する(法的効果)」というパーツです。個別法の「文言」から、この法的効果を無理やり引っ張り出します。 引き込む個別法のサイン:個別法に「〜の効力を失う」「〜でなければ〜してはならない(禁止の解除)」「〜の義務を負う」といっ (さらに…)